ゲスト:アーティスト・藤原泰佑さん④

先週に引き続き、今週も群馬県出身の気鋭のアーティスト・藤原泰佑さんをゲストにお迎えしています。

 

 

全国の旅から気がついた、群馬の魅力

郷土景」 894×1303 アクリル、和紙、箔、パネル 2017
  所蔵:株式会社ヤマト 

 

「郷土望景色」について

新前橋駅周辺の建物、看板、景観等を組み合わせて鳥観図のような視点から街を描いています。

ただし配置はバラバラで、必ずしも 地図のように街の配置は現実と同じな訳ではありません。
新前橋駅を挟むように走る国道17号と県道12号のロードサイドの看板、総社神社や、赤城山、この土地を詠んだ萩原朔太郎の詩など、現在の街の風景やそこに昔からあるモノ、コトなどを並列に並べて描かれた景観は、過去から現在につながる街の歴史や風土を捉えて、目に映る街の姿とは別の景観を映し出します。(藤原泰佑)

 

 

 

柴山:今日は、藤原さんのアート活動に、群馬という土地、

その土地の歴史が与えた影響についてお伺いしたいと思います。大学に入学されるまでは、ずっと群馬県にお住まいだったんですよね?

 

 

藤原:そうですね。

自分は、高校卒業までずっと前橋に住んでいたんですけれども、そのときはちょっと、前橋という町が苦手なところがあったんです。

 

 

柴山:苦手?どこが苦手だったんですか?

 

 

藤原:風も強いし、雪が好きなんですけど、雪もそんなに降らない。

人もちょっとこう、がつがつくるタイプの、ちょっと快活な人が多かったので。(笑)

ちょっとそういうタイプの人が苦手だったていうのがあったりしたんです。

 

 

柴山:そうなんですか(笑)

 

 

藤原:でも、その後、山形に行って、群馬から離れて6年間、

ずっと東北芸術工科大学にいたころに、改めて群馬のことを考えることが出来て、自分が群馬に住んでいたころには気がつかなかった群馬の魅力だとか、群馬ってこういうところがあるんだ、っていうことに気がつかされることが増えてきた気がするんですね。

 

 

柴山:そうですか。

 

 

藤原:はい。特にずっと、旅行ばかりしていたので。

北は北海道から、南は鹿児島まで、いろいろなところを周って、そういうところの気候だったりとか、人の気風だったりとか、町の雰囲気を見てまわっていくことで、地域の差異を発見することが出来ました。

 

 

柴山:なるほど。

 

 

藤原:はい。

そうした差異に気が付いていく中で、そうした差異のもとになっているのが、全部前橋だったんだな、ってことを理解することが出来て、自分のルーツっていうものが前橋に、群馬にあるんだな、ってことを改めて感じることが多かったように思います。

 

 

柴山:そうですか。

逆に、群馬を離れて、群馬の良さがわかった、ということですね。

 

 

藤原:はい、そうです。

特に自分が描いている作品は、街の神社だとか、モニュメンタルなビルだとか、そういったものを色々と取り込むことが多いんですけれど、

自分のルーツというものが群馬にあるんだってことを、改めて認識したことで、なんだか、自分の作品にも群馬だとか、前橋の風景だとかを、描くことができるようになった気がしています。

 

 

柴山:すばらしいですね。

各地のいろいろな地域性ですよね。地域性と、それからご自身のテーマである都市や地方とか、そうした場所。

藤原さんの作品には場所が各地いろいろと描かれていますが、そうした作風は旅を色々とされることを通じて築かれたということですね。

 

 

藤原:そうですね。 

 

 

柴山:ありがとうございました。

本日は藤原さんに、群馬というご自身の出身地が作品にどのような影響を与えたのか、ということをお聞きしました。

藤原さん、本日はどうもありがとうございました。

 

 

 

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次週もPower of Artでは、群馬県前橋市出身の新進気鋭アーティスト・藤原泰佑さんをゲストにお迎えして、お話をお聞きします。

 

最新情報が掲載されている、藤原さんのHPも是非チェックしてくださいね!

 

藤原泰佑HP: http://taisuke-fujiwara.main.jp

 

 

 

Power of Art、来週もお楽しみに!!