日本でも身近なオークション!?
先週は、オークションの本場、イギリスにおけるオークションの歴史についてお話しいたしました。
今回は、日本におけるオークションについてお話しいたします。
日本でも頻繁に行われるオークション!?
欧米ではアートと社会をつなげる上で、オークションはとても大事な役割であるという話をしましたが、日本では一般的にはオークションというものには馴染みがないかと思います。
ですが、実は日本では、群馬も含め、オークションというものは頻繁に行われているんです。
前橋にある青果市場ですね、またよくお正月まぐろの競り売りで注目されたりする築地の魚市場、これらもいわゆる競り売りですので、基本的にオークションと同じです。
競り人というのは、オークショニアと同じですので、要するにオークショニアがまぐろ1本いくら、という形でオークションを実施しているわけです。
なので、日本ではオークションは盛んではない、ということではなく、むしろ頻繁に行われていると思います。
ただ、残念ながらそうした競りの場は、一般の方が参加するものではなくて、流通を担っている方々が参加しているわけです。
ですので、イギリスで300年前に自然発生的に生まれたような、スタート価格が参加しやすい価格で、必ずしもアートということではなく、それ以外のものも含めていけば、気軽に売ったり買ったりできるところが日本に浸透していくと思います。
それが延いては、アートオークションの発展や、アート自体をもっと気軽に楽しむことにもつながっていくのではないかと思います。
安い高いにかかわらず、大切に保管していた作品を、後世の方に伝えていこうというときに、なかなか値段をつけることは難しいですよね。
だからこそ、それをオークションという手段で売るのです。
ですので、考え方としては、築地のまぐろと全く同じです。
当然、競りにかけられるまぐろというものは、世界に一つしかありません。それを幾らで売るかといっても、一つしかないため、なかなか値段が決められません。特別なものだからこそ、それを競りによって売却するというわけですが、その原理は、オークションと全く同じものなんです。
来週は、アートオークションの舞台裏についてお話ししたいと思います。
なかなか、アートオークションといっても、テレビなどで放送されているのは、氷山の一角です。
その背景にある準備や理念、また、どのように仕事として行われているのか、いかにお客様は参加するのかなど含め、なかなか一般の方々はご存知ないかと思います。
来週は、それについてご説明したいと思います。